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【レビュー】ブレイド

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主演がウェズリー・スナイプス
それだけでも見る価値がある作品だと思う。
アクションは出来るし、時折挟まるコメディもこなせるクールガイだ。


そんなスナイプス目当てに見たこの作品ではあったが、原作が今やアメコミ映画の頂点と言っても過言ではないMARVELコミックであるから面白くないわけがない。
「半吸血鬼<デイ・ウォーカー>のブレイドが吸血鬼<ヴァンパイア>を駆逐するために暗躍する」という独特ながらも分かりやすい内容は、いかにもアメコミらしい。
主人公のブレイドはもとより、相棒役のウィスラー、ヴィランのフロストなど、キャラが立っているのもその影響だと思われる。


そんな中でも、注目なのがやはりスナイプス演じるブレイドだろう。
ピンチの時でも表情を一切崩さず、冷静に状況を見据えて敵を打ち倒す姿はクールだ。
一方で、時折ユーモアを覗かせたりして、決して近寄りがたい印象を持たせないのはいい傾向であったと思う。彼への好感は上がるばかりであった。
ブレイドの名の通り(基本的には)刀を使った戦いも彼の魅力を高めていた。刀を構えた姿があそこまで様になるのはスナイプスのキャスティングの成功を思わせた。
刀を使って戦うという性質上、この作品は今のMARVELでは出来ないであろう割とグロテスクな描写が多い。
吸血鬼の首は飛ぶし、血は飛び散るし、R指定が付かなかったのが不思議なくらいだ。(PG-12指定となっている。)
まあ、ヴァンパイアは倒されると爆発するし、そこら辺で上手く調節しているのだろう。
こうしたグロテスク表現に加え、中盤ではウィスラーが悲惨な目に合うなど、どちらかと言えばDC作品のようなダークな展開が多かった印象があった。
戦闘シーンにしても、単にブレイドが無双するわけではなく、フロストの姑息な手を前にピンチに陥ったりと「万能なヒーロー」というよりは、「半分人間のヒーロー」らしさがあったと思う。


とはいえ、フロストとの直接対決の時にはその半分あるヴァンパイアの力を開放することで、人智を超えたパワフルなアクションを見せていた。
2000年代にすら入っていない(1999年)時代に作られた、MARVEL作品としてはかなり初期の作品である『ブレイド』(ちなみに最初のMARVEL映画は1986年の『ハワード・ザ・ダック』)
その中身は、ウェズリー・スナイプスの好演もあってか、時代を感じさせない世界観とアクションを見せていた。
MARVEL映画の火付け役として大いに貢献したことは疑う余地もない作品であろう。