【レビュー】ブレイド2
銃と刀を引っ提げてブレイドが帰ってきた。一作目からおよそ三年後に。(私は直後に見たわけだが。)
今回は、新たな要素が目白押しだ。ヴァンパイア組織"休戦の使者"の登場、通常のヴァンパイアより強い"死神族(リーパーズ)"の登場などがそれに当たる。
さらに、相棒のウィスラーも帰ってきた。(前作で死んでいた)
すごい都合よく生き帰るわけだが、一作目から好感が持てるキャラだし「まあいいか」と私は受け入れた。
おそらく終盤戦でのブレイドとの共闘を見れば、誰もがその復活に拍手を贈りたくなるだろう。ウェルカムバック、ウィスラー。
このように前作の流れを取り入れつつも、新たな要素が光った今作。
ここまでの違いが出たのは、監督がギレルモ・デル・トロに交代したからだろう。(前作はスティーヴン・ノリントンが監督)
今や『シェイプ・オブ・ウォーター』で有名人と化したデル・トロ監督。彼は根っからのモンスターオタクでもあることは有名な話だ。
そんな彼が、ダークファンタジーを手掛けるのだから面白くないはずがない。
その内容は、対"リーパーズ"即席チーム「ブラッドパック」の結成、ヴァンパイア専用の武器などロマンに溢れていた。
とはいえ、「ブラッドパック」のメンバーが次々に倒れていくのはホラーのお約束。
『イップ・マン』シリーズでお馴染みのドニー・イェンでさえ、画面端で殺される非常な世界だ。端役なのに存在感を発揮していたのはさすが兄貴と言えるが。
メンバーが死んでいき、泥沼化した戦局を爆弾で切り抜けるのはアクション映画のお約束か。
"紫外線照射爆弾"とかいう、この作品でしか使わなさそうな武器で敵を一掃するのは、ブレイドの"デイ・ウォーカー"の体質を生かした斬新な展開だった。
最後にはやはりと言ってはやはりだが、"休戦の使者"と対立し、戦いに発展する。
ブレイドが水を得た魚ならぬ、血を得た吸血鬼と化すのは盛り上がるシーンであった。
そこからラスボス、ノーマックとの戦いに通じていくのだから熱い。
ちなみにこの戦闘シーン、私の中では三部作内でベストバウト。敵の強さがいい感じにハラハラドキドキを演出している。
三部作中、二作目というのはなかなか注目されにくいものだ。
しかし、この作品は一作目の作風を汲み取り、アクション面では多大な進化を見せていた。
作中のヴァンパイアが進化したように、作品もまた進化を遂げていたと言えるだろう。デル・トロはやはり凄い。
MARVEL映画は前作『ブレイド』(1998)→『X-メン』(2000)と来て、今作『ブレイド2』(2002)へと至っている。
次作には『スパイダーマン』(2002)が公開され、いよいよMARVEL映画の全盛期が始まるわけだ。
そういう意味でも今作は一作目同様に、MARVEL映画に大きな影響を与えていると言えよう。