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【レビュー】スター・ウォーズ/フォースの覚醒

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誰もが知っている『スター・ウォーズ
新シリーズ(EP1,2,3)で紆余曲折あるものの、シリーズの最後は帝国軍を打ち倒しハッピーエンドというのが記憶に刻まれている。
そんなラストシーンから32年。続編が公開されるなんて当時、誰が想像しただろうか。
期待と不安が入り混じる中、公開されたのが今回レビューする『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』だ。


公開当時はお祭り騒ぎであった。
私も公開日2015年12月18日の18時30分に劇場に足を運んだ口だ。
当時は、何もかもが輝いて見えた。ミレニアムファルコン号が出ればどよめき、ハン・ソロが出れば拍手喝采ライトセーバーが登場すれば口笛が飛ぶほどの大熱狂ぶり。
おそらく、劇場出口で「評価を5段階で付けるなら?」と聞かれたら8割は5と答えただろう。おそらく私も。
そんな完璧とも思える今作も、シリーズが終結した今となって見ると「そこそこ面白い良作品」くらいの評価になってしまう。(なんだかんだ5段階中4を付けるだろうが)


というのも、この作品は基本的にツッコミ処が多い。
特に、敵が主人公レイたちの都合がよすぎる動きをしすぎている。自分が上官だったら「ああ、もうなにやってんの!?」とヤキモキするだろう。
それを「ヤキモキ」で済ませないのがカイロ・レンという悪役だ。
少しでも都合が悪いとブチギレて物を壊す。さぞかし凶悪なキャラかと思えば、マスクの下から出てくるのは優男のアダム・ドライバー。「あんたそんなことする顔じゃないだろ」と、ツッコミたくなる。
当然と言えば当然だが、ダースベイダーのカリスマ性には程遠い悪役であった。
とはいえ、十字赤セイバーはカッコイイ。
「フォースが安定していないせい」というマイナスな理由があろうが、カッコイイ。そこは昔懐かし『スター・ウォーズ』のワクワクを取り戻させてくれる。


こうしたワクワクを取り戻さる展開は、随所に見られた。
それが、上でも少し触れた過去シリーズのキャラクターや物の登場だ。
ハリソン・フォード演じるハン・ソロが相棒のチューバッカと共にお馴染みの掛け合いをすればそれだけで作品が引き締まる。
レイやフィンのサバイバル指導役として年の功を見せるのもファンとしては感慨深い。
故に、その最期は衝撃的でもったいない気もするが……
その不在をレイア姫やチューバッカがカバーしつつ、ラストシーンにはルークが登場するのだから過去シリーズとのつながりはなんとか保たれているとは言えるだろう。


と、過去シリーズとの関連について書いてきたが、あくまでメインはレイだ。
タイトルにもあるように彼女が「覚醒」するまでがこの作品のストーリーである。
そのためエピソードⅣを下敷きに、サバイバル、仲間との信頼関係の確立、敵(ファースト・オーダー)との対峙が良い塩梅で描かれていた。
最後に待ち受けるカイロ・レンとの戦いは、薄暗い雪上でのセーバー戦というシチュエーションも相まって、盛り上がるシーンであったと言えよう。


過去シリーズからの継承と、伏線の構築が好奇心を揺さぶるのが今作の醍醐味であった。
新キャラを立てつつも、過去キャラを蔑ろにしない手腕はさすが、映画作りに慣れているJ.J.エイブラムス監督だ。
続編を期待させる内容はまさに新シリーズの「覚醒」を感じさせる好スタートであったと言えるだろう。