【レビュー】野獣処刑人 ザ・ブロンソン
「うーんマンダム」
そんな男の世界のフレーズでお馴染みのチャールズ・ブロンソン。
2003年に81歳で惜しくもこの世を去ってしまいました。
しかし、そんな彼のドッペルゲンガーとでもいうような俳優が現れました。
それが本作『野獣処刑人 ザ・ブロンソン』で主演を務めたロバート・ブロンジーでした。
邦題とはいえ、彼の名前よりもブロンソンの名前がタイトルにされているのが皮肉です。(原題も『Deth kiss』で、ブロンソンの代表作『Death Wish』を意識しています)
で、肝心の内容ですが、悪い意味でチャールズ・ブロンソン全盛期の1970年代~80年代を彷彿とさせていました。
なによりも気になったのが、作品全体におけるチープさです。
照明やカメラワーク、ロケーションが悪いせいで全てが作り物にしか見えません。
オマケに銃撃戦も凄くもっさり。
BGMや作中の描写(携帯電話を使用しないことや血ノリが過剰など)から、おそらく狙って70年代、80年代の雰囲気を出したのだと思われますが、それでもチープすぎました。
ただ、車のドアを盾にした(出来ていない)ガバガバな銃撃戦であったり、狼に人を襲わせるためにバーベキューソースを律儀に掛けたりするような独特なチープさは個人的には大好物でした。
ストーリーの方は、『Deth wish』(狼よさらば)を下敷きにしたような内容でそこまで文句はありません。
無口でミステリアスな主人公が銃を手に法で裁けない悪党を処刑していくというハードボイルドさは、古臭いと言われようが好きです。
そんな古臭さを彩っていたのが主演であったロバート・ブロンジーでした。
チラシなどからチャールズ・ブロンソンに似ていると思っていましたが作品内で動いている姿を見てもよく似ています。
本作での役どころが、ブロンソンのよく演じていた無口なワイルドキャラということもあって余計に似てるように感じたのかもしれません。
イケメン……とは異なりますが、ダンディーで男臭い顔は、ハードボイルド作品には欠かせない存在です。
改めてチャールズ・ブロンソンの跡を継げるのはこの人しかいないと確信できました。
2017年に1作映画出演を果たしてから、2018年に1作(本作)、2019年に2作、2020年に2作、撮影予定が1作、という活躍の幅を広げているロバート・ブロンジー。
再び彼の姿をスクリーンで見れるのが今から楽しみです。