【レビュー】PARKER/パーカー
「最もかっこいいハゲといったら?」
そんなアンケートを取れば間違いなく名前が挙がるであろう俳優がジェイソン・ステイサムです。
そんなステイサム主演作の中でもクオリティの高い作品が本作『PARKER/パーカー』となります。
本作は冒頭から驚かせてくれます。なんと!ステイサムの髪があるんです!
まあ、当然のことながら変装なわけなのですが、神父の姿ということも相まってかなりインパクトの強いスタートでした。
で、本作のキモとなるのが、ステイサム演じるパーカーによる仁義です。
「一度した契約はどんなことがあっても破らない」
その信念を裏切った悪党4人組に報復するのがストーリー上、最大の目的となっているんですね。
裏の世界で生きるルールを破る輩を許さない姿は日本でいう極道のよう。目的がハッキリとしている分、楽しむことができました。
そんな本作ですが、特によかったと言える点が2つあります。
1つ目はステイサムによるアクションです。
これはまあ、彼の主演作全体に言えることでもありますが、とにかく肉体戦が素晴らしいです。
本作では『トランスポーター』シリーズのようにステイサム無双というわけではなく、敵も強いのが印象的でした。
ホテルで殺し屋からの襲撃を受けるシーンなんかは、血みどろになりながらの戦いとなっており、緊張感がハンパなかったです。
メインターゲットを襲撃する前に既にボロボロとなっていて、いつもの「ステイサムなら楽勝でしょ」という余裕がないのは新鮮でした。
とはいえ、目的をきちんとクールに達成するのですから流石はステイサム。
2つ目はロケーションの良さです。
本作では後半から、裏切り者4人組を追ってカリフォルニア州パームビーチという場所に移動します。
リゾートエリアでもあるその地で、パーカーはスーツ+カウボーイハットという出で立ちで登場。似合っているかはともかくかなり意外な組み合わせでした。
本作、こうしたギャップが印象に残ります。
最初に挙げた神父姿ステイサムもそうですし、先ほども少し触れた血みどろの戦闘シーンも綺麗なホテルを汚すかのように赤く染めあげていました。
「全米で最も住みやすい都市」とまで言われたパームビーチ。そこで巻き起こる殺戮は、アンマッチさが光っていて面白かったです。
アンマッチであったのは、ジェニファー・ロペスが演じたレスリーにも言えます。
彼女は、普通の一般人でありながら裏の世界に首を突っ込み結局、パーカーの足を引っ張ることに。最後も二人が相容れない関係となっていました。
正直言って、レスリーはパーカーの活躍の場を作るために加えられたキャラのようにしか思えませんでした。あるいは移動の足としての活躍とか?
ジェニファー・ロペスの美しさもあって、男くさい作品に花を添えるという意味では素晴らしい活躍であったと思います。
アクションはもちろんでしたが、パーカーという男のキャラクター性とロケーションが素晴らしかった本作。
いつものステイサム劇場とは異なる刺激を与えてくれる、見所のある作品でした。