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【レビュー】キング・オブ・エジプト(ネタバレあり)

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砂漠のアドベンチャーといえば、おそらく『ハムナプトラ』シリーズを思い浮かべる人が多いでしょう。

しかし、あの作品は原題が『The Mummy』であることからも分かるように、ミイラがメインテーマとなっています。

そんな砂漠アドベンチャーに神々と人間の因縁を付け加えて作られた作品が、今回レビューする『キング・オブ・エジプト』です。

聞いての通り、エジプトを舞台にした大スペクタクル!

 

一番好奇心を刺激するのは、世界観です。

人間と神々が共存するエジプトで、ホルス神vsセト神が勃発。

そこへ、ただのコソ泥であったベックが台風の目となる「人間もやればできる」展開が面白いわけです。

まあベックもベックで、初見の罠を運だけで突破したり、不測の事態にも完璧な行動を取ったりと、なかなか人外染みていたとは思います。そこは映画と言うことで目を瞑りましょう。

そうしたベックの勇気ある行動を見て、尊大な態度であったホルス神も見直す展開はありきたりながらも楽しめました。

 

そんなもう一人の主人公ホルス神の活躍も面白さのひとつです。

人間よりも一回りデカく、態度も一回りデカい扱いにくさ。

けれど、なんだかんだでベックのノリに付き合い、腕力だけで襲い来る難題へ立ち向かう姿は、映画としては満点のエンターテイナーでした。

また、黄金の像への変身能力も有しており、CGバリバリな姿で盛り上げてくれるのも魅力でした。

面倒くさいやつからベストパートナーへと変化していくテンプレート的なキャラではありましたが、存在感はバッチリ残していたと思います。

 

そしてベックとセト神が対峙することとなる悪党がジェラルド・バトラー演じるセト神でした。

まず目を引くのが、アクション映画などではヒーロー側であることの多いバトラーが悪役であるということです。

しかも、いきなり短刀で王を指したり、ホルス神との戦いに部下を割り込ませたりと結構卑怯。なのに、どや顔してるから小物臭がすごかったです。バトラーなのに。

とはいえ、ことあるごとに登場してはホルス神たちを邪魔するため、たくさんバトラーが見られる、という点では満足度は高めでしたね。

 

こうした、神々の争いがテーマとなっているだけに、CGへの注力が凄まじかったのが本作最大の見所でした。

 

盛り上げるためにCGをふんだんに使用した内容は、エンターテイメント映画の鏡と言えるでしょう。

雄大な景色、神々の能力、変身、ラーの乗る謎の飛行艇、クリーチャー、しゃべるスフィンクスなどなど、常にファンタジーな世界を楽しませてくれました。

ツッコミどころの多い奇抜なCGばかりでしたが「神々と人間が共存する世界」という設定があることで受け入れられますね。

 

古代エジプトという最古の時代を舞台としていた本作。

しかし、世界観や設定、CGをふんだんに取り込んだアドベンチャーは、斬新な取り組みでありました。

公開当時は、4dx3d版なるものもあったようで、そちらで鑑賞すればより楽しめたのかもしれません。