【レビュー】ジュマンジ(ネタバレあり)
ファミリーゲームであるすごろく。
サイコロを振って、出た目の数だけ進み、止まったマスのイベントをクリアする……
そのシンプルだけれど奥の深いゲームは、きっと誰もが楽しむこと出きるはずです。
そんなすごろくが現実世界とリンクしたら……
そんな斬新なアイディアを20年以上も前に、CGなどを駆使して作られたのが今回レビューする『ジュマンジ』です。
やはり面白いのは設定です。
基本はコメディ映画ではあるのですが、ほどよく含まれたダークファンタジー要素がいいスパイスとなっています。
中でもアランの辿る運命は凄惨なもので、26年間ジャングルに閉じ込められるというのは、大人が聞いてもゾッとする話です。
26年の時を経て、少年からロビン・ウィリアムズへと成長したアランが、亡き家族を探すシーンは、何度見ても心にくるものがあります。
残酷な話ではありますが、こうしたダークな展開があるからこそ、ジュマンジのゲームにハラハラドキドキできたと言えます。
そんなゲームの展開が過酷なのも見所でした。
ジャングルをベースとしたさまざまなイベントは、どれも一筋縄ではいかないだけに見ていて面白いです。
猿やライオンを初めとした動物、巨大蚊や蜘蛛などの昆虫、天候やジャングル化などの環境の変化。
バリエーションが豊富で、ゲーム中一度も飽きることがありませんでした。
中でもヤバいのがハンターのヴァン・ペルト。
ゲームが元凶という、アランたちの対抗政略がない本作の中で、姿かたちを持った悪役として良い役割を果たしていました。
また、演じたのがアランの父サミュエル役と同じジョナサン・ハイドとなっており、アランが立ち向かわなくてはならない存在として君臨していたのも大事なことでした。
このように、ドラマ要素が濃かったのも見ごたえがありした。
ジュマンジがトラウマになり、プレイから逃げ出そうとするアランやサラ。
両親を失ったことから、他人との距離を掴めないジュディやピーター。
こうした人間味溢れる不完全な4人が、ジュマンジを通して、強固な信頼感を築いていく展開は熱かったです。
不完全な要素で興味を引かせ、ゲーム中の活躍で見直させるという流れは見事でした。
「すごろくのイベントが実際に起きたら……」というシンプルなアイディアで最高に面白いエンタメ映画を作り上げていた本作。
ほどよいダークな要素と、それが生み出すドラマやラブロマンスは、いつ見ても楽しめる素敵な作品だと言えますね。