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【レビュー】ランボー/最後の戦場(ネタバレあり)

ランボー/怒りのアフガン』から20年……(1988年→2008年)

ランボーがまさかの復活を果たしました。

ソ連はロシアになり、アフガニスタンとは仲たがいをし、時代が変わりランボーも変わりました。

そんな、20年ぶりの『ランボー』をシルヴェスタ・スタローン自身が監督したのが、今回レビューする『ランボー/最後の戦場』です。


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今回、舞台となるのはミャンマー

医療支援をするため、内戦続くミャンマーへ向かったアメリカ人たちが捕虜にされたことからランボーが救出に向かうという展開でした。

で、本作は20年ぶりに再開したシリーズだけあってかなり変化がありました。

その変化とは、とにかくグロい!

手足がちぎれたり、人が燃やされたり、子供が殺されたりと、衝撃的なシーンが多いです。

特に、無抵抗な村の人々が虐殺されていくシーンはただただ無慈悲。ミャンマー陸軍が今回の悪党であることをこれでもかと印象付けていました。

 

それだけに、ランボーを初めとした傭兵たちがミャンマー軍を掃討するシーンは痛快です。

というか、今回ランボーはダメージをほとんど負っていませんでした。

その無敵の活躍っぷりはまさに鬼神。

機銃を使い、ミャンマー軍をグロテスクに殺りくし尽くす展開は、やや不謹慎ながらもスッキリしました。

 

とはいえ、少々過剰演出かなと思うシーンも幾つかありました。

例えば、スナイパーライフルでヘッドショットを決めたら首から上がごっそり消えたりとかです。

たしかに、戦争の悲惨さや兵器の恐ろしさを伝えるためには重要かもしれませんが、さすがにやりすぎ感がありました。

まあ、見ている最中は「ランボーが来た!」のテンション爆上げで気にする余地すらありませんでしたけどね。

ランボーを演じるスタローンが、当時62歳(撮影時はもう1,2歳若いハズ)ということもあって、彼のアクションは以前のシリーズと比べると少なかったですが、それでもランボーの活躍は凄まじく見劣りはしませんでした。

 

そして『ランボー』といえば、戦争ドラマをいつも盛り込んできています。

しかし、本作はその要素は薄め。

本作のキャッチコピーとなっている「ムダに生きるか 何かのために死ぬか お前が決めろ。」は確かにグッときましたが、それ以外は起こるべくして起こり、ランボーが力技で解決したという印象を受けました。

というか、いきなり戦場で暴れだしたボート漕ぎがこのセリフを言って傭兵たちが結束するという流れは聞き分けがよすぎると思いました。

 

逆に聞き分けがなかったのが、今回捕虜となる医療支援を行うアメリカ人たち。

ランボーが海賊たちから守っても「なぜ殺すんだ!」と突っかかる面倒臭さ。

その結果、捕虜となってほとんどの仲間も助けに来た傭兵も死ぬのですから救いがありません。

しかも、ランボーたちが悪党であるミャンマー軍を殺したことで、むしろ平和が戻ったという皮肉すらありました。

ランボーミャンマー入りをするのに必要な舞台装置とはいえ、もう少し説得力のあるキャラにしてほしかったところがありました。

 

キャラといえば一言触れておきたいのがトラウトマン大佐です。

シリーズ皆勤だったトラウトマン大佐でしたが、今回は回想シーンのちょっとだけ。

しかし、これは仕方のないことなんです。

なぜなら、トラウトマン大佐役のリチャード・クレンナは、2003年に亡くなっているから。

回想だけでも入れていたのはスタローンなりのリスペクトなのでしょう。

シリーズファンとしてここは、嬉しくもあり、切なくもあるシーンでした。

 

『最後の戦場』と、いかにも完結編のような邦題がつけられた本作。(原題はシンプルに『Rambo』)

しかし、みなさんご存知の通り続編に『ランボー ラスト・ブラッド』があります。(今度は原題でも『Rambo: Last Blood』と、最後であることを匂わせています)

たしかに、本作のラストシーンで実家に帰ったランボーの姿を見れば完結したと思っても仕方がないように思えます。

けれど『ランボー』はまだ続きます。

そう、まだ終わランボー