【レビュー】お!バカンス家族(ネタバレあり)
コメディ映画に『ホリデーロード4000キロ』という作品があります。
1983年というかなり昔の作品なのですが、その精神的続編の5作目となるのが、今回レビューする『お!バカンス家族』です。
ストーリー
毎年、夏休みは同じログハウスで過ごすことになっていたグリズワルド家。
その風習に一家の主であるラスティは満足していたが、妻や息子たちはうんざりしていた。
ある日、隣人から旅の自慢話を聞かされたラスティは、車を使いテーマパーク「ワリーワールド」へ行くことを決意する。
そこは、かつてラスティの父クラークに連れて行かれた思い出の場所でもあった。
【感想】コメディ要素たっぷり!おバカな家族の珍道中!
原題は『Vacation』なのに、邦題は『お!バカンス家族』
このセンスが素晴らしい!
あらゆるシーンで「バカな家族だなぁ」となる本作にはピッタリなタイトルだと思います。
そんな本作のメインになるのが4人家族。
家族思いだけど全ての行動が空回りな父親ラスティ、常識人に見えてまずい過去を抱えている妻デビー、草食系イジラレキャラのジェームズ、兄を苛めるサイコパスな弟ケヴィン。
濃い個性を持つ家族だけに、本当にあり得ないバカなことばかりします。
トラックの運転手を無線で煽ったり、国境をまたいでセックスをしようとしたり、汚水を温泉と間違えて入ったりともう滅茶苦茶。
そんな中でもとんでもないのが移動手段となる車です。
自称最新鋭の車は見た目からして変なだけでなく、機能もいろいろ変。
無駄にチャージ用の電源タップが付いていたり、韓国語機能がバグってずっとそのままだったり、自爆機能が付いていたり……
おバカンスにピッタリなおバカ機能たっぷりのコメディに欠かせない存在でした。
そんなおバカなコメディではありますが、ストーリーは割としっかりしています。
失敗続きのラスティが名誉挽回をするため頑張っていたり、ジェームズが道中出会った女の子といい雰囲気になったりと、家族間での成長が見られるんですね。
そうした変化はそのまま彼らの好感度アップにもつながっており、目的である「ワリーランド」到達を素直に応援したくなりました。
まあ、到着してからもひと悶着起こすのがまたおバカなファミリーらしさ全開でした。
そんな感じで、キャラクターを大事にしていた本作。
もちろん、道中出会う人物たちもキャラが濃いです。
ウザいけど失恋して自暴自棄になるカヌーのインストラクター、小児性愛の疑いをかけられるトラックの運転手、なにかと筋肉を自慢してくるラスティの妹の夫(まさかのクリス・ヘムズワースが演じていて驚き!)など、多彩なキャラが登場します。
その道中の最後には、ラスティの父クラーク(前シリーズ4作の主人公。演じるのは変わらずチェビー・チェイス)が登場するのですから、サービス精神も忘れていません。
エンドクレジットでは、それぞれの登場人物の後日譚も描かれており、つくづくキャラを大切にしているなと思いました。
下ネタからユーモア溢れるネタまで、とにかくぶちこまれていた本作。
途絶えることのないコメディの連続は最後まで楽しむことができました。
でもこの作品を見て旅をしたくはならないかもしれませんね。(笑)