【レビュー】ナイトウォッチメン(ネタバレあり)
B級映画といえば、奇抜な設定がものを言います。
そのため、パッケージなんかに設定をでかでかと書いたりするものです。
今回レビューする『ナイトウォッチメン』では、「ゾンパイア」という造語が登場。
なにを隠そう本作ゾンビ×ヴァンパイア映画です。
というわけで、ゾンビ映画のオススメ作品として表れた本作。
半分はヴァンパイアものなのですがそんなのどうでもよくなるくらいには面白い作品でした。
たしかに、設定としてはゾンビものっぽいです。
突如起き上がってきた死体が人間を噛んだら次々に感染するんですからね。
ただ、異なるのが弱点。
ニンニクや十字架が苦手だったり、杭で心臓が突かれると死んでしまうなど、ゾンビ要素にデメリットばかりが付与されています。
で、これが面白い要素でもありました。
弱点が多い=いろいろなことができる訳ですからね。
ヴァンパイアたちのかわし方、弱点をついた攻撃に他のゾンビ映画にはない対応ができるのは本作にしかないオリジナリティがあって面白かったです。
また、一応ヴァンパイアらしく監視カメラに映らないという特徴もありましたが、本筋であるパニックには一切関係がなく、謎の設定でした。こんなことしてるからおバカ映画って言われるんですね。
そんなおバカさはキャラクターにも表れています。
ドラムスティックを武器とする新人警備員のラジーブことジャスティン。
銃を持たせたら100発0中のリーダー役ケン。
その相棒でクスリ大好きなジゲッツ。
過去に人を殺したと噂される謎の男ルカ。
紅一点でツッコミ役でもあるカレン。
この5人によるおバカなゾンビ逃走劇はユーモアに満ちていて見ごたえがありました。
さらに面白いのがゾンビの倒し方。
ジャスティンがビビりながらもカッコよくドラムスティックで倒したり、ケンが銃を外しまくったり、ジゲッツのクスリでゾンビをハイにさせたり、ルカが慣れた手つきでゾンビを殺すけど実はパン屋だったりと、とにかくアホらしいけどちゃんと生き残ってます。
おバカという点においては似た者同士なだけに、だんだんノリが合っていくのも見ていて面白かったですね。
最後までこの5人で進行し、5人ともしっかり生き残っている辺り、製作陣もキャラを大事にしていた感じがして良かったです。
そして、敵キャラもなかなか個性的。
ピエロのブリンポがそれに当たるのですが、ふざけているように見えてかなり強いです。
高速移動したり、ゾンビと化したサーカス団を集合させたりと、ゾンビの親玉感が出ていました。
普通、ゾンビ映画といったら数で攻めることが多く、こうしたリーダー的存在が現れることがないだけになかなか個性的でした。
ゾンビっぽいヴァンパイアという点がある意味生きていたと言えるのかもしれませんね。
3分の1くらいヴァンパイアのゾンビものであった本作。
ゾンビコメディなら設定とかガバガバでも面白くなる良い例となる作品でした。