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【レビュー】天使にラヴ・ソングを2(ネタバレあり)

修道女たちが歌って踊るという奇想天外な設定で笑いと感動をもたらしてくれた『天使にラヴ・ソングを…』

それから約1年。キャストをそのままにファンの期待に応え、続編が作られました。

それが今回レビューする『天使にラヴ・ソングを2』です。



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ストーリー

デロリスが修道女として過ごした日々から1年。

ラスベガスで歌手として再び成功を収めていた彼女のもとに、聖キャサリン修道院の友人たちが訪ねてくる。

彼女たちは、高校生たちを支援していたのだが、あまりにも問題児すぎて手に負えない状況に陥っており、デロリスへ助けを求めてきたのであった。

過去に匿ってもらった恩義もあったデロリスはそれを渋々ながらも承諾する。

しかし、高校生たちは彼女が思っている以上に大変な存在であった。

感想

前作を鑑賞してから早5ヶ月。

本来なら1作目を見た直後に見る予定だったのですが、レンタルがなかったりで、なあなあで今まで見れていませんでした。

そんな自分を張り倒してやりたくなるくらい素晴らしい作品でした。

歌唱シーンがもたらす幸福感、コミカルなキャラクター同士のやり取り、分かりやすい青春ストーリーと、面白い要素を曲げることなく描いた王道サクセスストーリーは、ストレスなく楽しむことができました。







なにより凄いのがウーピー・ゴールドバーグです。

型破りなシスター・クラレンス(デロリス)をワイルドに演じる反面、コメディチックなリアクション芸で笑わしてくれる多彩な表現力は素晴らしいと言うしかありません。

そして、彼女の最大の魅力である歌声はパワフルでありながらも美しいです。

そんな歌声を作中、何度も聞けるのですから楽しくないわけがない!

冒頭のラスベガスでのライブシーンでは、そんな彼女の魅力で作品に一気に引き込んでくれていました。



そんなウーピー演じるクラレンスが今回挑んだのが、問題児だらけの高校を更生することでした。

前作で、マフィアから命を狙われて逃げていたのを考えると随分と温和なストーリーになったものだと思いましたが、問題児のレベルが違い過ぎました。

居眠り、おしゃべり、生意気なのは当たり前。

教科書を破り捨てていたり、授業中に突然歌いだしたり、クラレンスのイスに接着剤をつけたりとやりたい放題でした。
しかし、それに負けないのがクラレンスです。

黒板を引っ掻いて生徒を黙らせたり、ラップでたむろする生徒を追い払ったり、時には親身に相談に乗ったりと、型破りながらも人情に厚い彼女の姿は素敵でした。







そんなクラレンスの情熱に触れて、生徒たちが聖歌隊を結成するのですから青春ドラマです。

超生意気だった生徒たちが急に素直になるのに若干ご都合主義を感じなくもありませんが、彼らも若者。心のどこかでは「まともになりたい」という思いがあったのだと(勝手に)思いました。

素直になった彼らが努力をし、成長していく姿は応援したくなります。

そんな努力が報われ彼らが評価され始める「Oh Happy Day」の歌唱シーンは、個人的に本作のハイライトです。

多幸感に満ちた曲調と盛り上がりは、何度も見たくなるテンションの上がる歌唱シーンでした。男子生徒の超高音のボイスには鳥肌立ちましたよ。



もちろん終盤の「Joyful Joyful」も盛り上がるシーンでした。

讃美歌(あるいは聖歌)として認識されていた曲をゴスペル風にアレンジした大胆さ、生徒それぞれの個性を型にはめない自由な表現は今見ても革新的です。

歌唱力の高さを含め、一瞬たりとも目が離せない面白さを見せていました。



他にも、ちょっとした歌のシーンであったり、一作目で活躍したシスターたちによる歌唱シーンなんかもあったりで、常に楽しませてくれる見所だらけの内容となっていました。







完璧に思えた前作からさらにパワーアップした笑いと歌とを届けてくれていた本作。

夢を追う若者たちの姿も素敵なドラマを描き出しており、感動もできる内容となっていました。

一作目を見た後には、必ず見ておきたい一作でしたね。