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【レビュー】コン・エアー(ネタバレあり)

ニコラス・ケイジといえば多くの作品に出演している俳優です。
いい作品からいまいちな作品まで、様々です。
そんな作品群の中から彼の代表作を選ぶとすれば『コン・エアー』は間違いなく挙がる作品でしょう。
今回はそのレビューをしていきます。

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ストーリー

米軍兵のレンジャー隊に所属していたキャメロン・ポーは、除隊したその日に妊婦の妻に絡む酔っぱらいを殴り殺してしまったことから長期の実刑を受ける。
妻と生まれてくる娘のため、模範囚として過ごしたポーは、数年後に仮釈放が赦された。
その当日、彼は囚人輸送機"コン・エアー"に乗せられる。
しかし、移動中に知能犯サイラスが囚人を先導し、輸送機をハイジャックするのであった。

感想

本作の感想を一言で表すなら「ニコラス・ケイジは最高だ!」と思わせてくれる傑作でした。

なにがいいってもうニコラス・ケイジのワイルドなカッコよさです。
悪党だらけの輸送機"コン・エアー"に乗っていても違和感のない人相の悪さや屈強さは見ているだけでも楽しめるカッコよさでした。
ぶちギレて銃で撃たれても怯まないカッコよさは鳥肌ものでしたよ。
後半からはタンクトップ姿になってナイスな筋肉も見せ始めます。
もちろんそれは見た目だけでなくアクションでも活躍。
肉弾戦からチェイスシーンまで、余すことなくその筋肉が活躍していました。
個人的に筋肉が一番活躍していたと思うのは終盤の消防車にぶら下がるシーン。
力こぶがいい感じに盛り上がっていて素晴らしい見栄えであったと思います。

そんな本作ではありますが、メインストーリーとなっていたのは、ジョン・マルコヴィッチ扮するサイラスをいかにして撃退するかの頭脳戦でした。
上手いと思ったのが設定。主人公のポーが仮釈放当日というのは、同じ囚人同士なのにほとんどが敵なんですね。
けれど、そんな事実を知らないサイラスらはポーを味方と思い接します。
それを生かしポーが暗躍するのは緊迫感がありました。
サイラスを追い詰めつる一方、正体に気づく囚人が増えていき、口封じのために戦闘シーンが増えていくのも面白かったです。

そんなサイラスを演じたジョン・マルコヴィッチもいい味を出していました。
いかにもな悪人面に加えて、人を食ったような態度、やることも躊躇なく悪役と言うことなし。
ニコラス・ケイジと向き合っても全く見劣りしない存在感を放っていました。
終盤までの大物っぷりからのラストシーンのこてんぱんにやられる清々しさまで見事な悪役を演じていたと思います。

二人に挟まれる形となるのが連邦捜査官ラーキンでした。
彼を演じるジョン・キューザックもまたいいキャスティング。
未曾有の状況に困惑しつつも、ポーが味方だと察する有能さは脇役としていい役割を果たしていました。
シリアスな作品なのにコミカルさを表現できていたのは彼がいたからこそ。
作中のストーリーとしても、作品そのものとしても必要不可欠な存在であったと思います。

そんな三人が集うラストシーンの見ごたえは凄まじいものでした。
ラスベガスに墜落する輸送機、消防車を奪って逃走するサイラス一味、白バイを盗んでそれを追跡するポーとラーキン。
ツッコミどころ満載ですが、こういうのでいいんです!
ラストの盛り上がりどころでそんな細かいところを気にするなんて野暮ですからね。
ド派手でアホみたいに熱い展開をただただ楽しみました。
ラストシーンは、家族と再会を果たしたポーが抱き合うのを主題歌「Sweet Home Alabama」(レーナード・スキナード)を流しつつフェードアウト。最高に粋ですよ。
アクション映画のお手本となるようなハラハラドキドキする展開に満足でした。


ニコラス・ケイジの魅力をたっぷりと描いていた本作。
アクションあり、頭脳戦ありの面白さもあってまったく飽きさせない面白さがありました。
冒頭に書いたように、ニコラス・ケイジの代表作と言って差し支えない作品でした。