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【ネタバレあり・レビュー】ビバリーヒルズ・コップ | エディ・マーフィーの魅力全開の刑事モノ!

ビバリーヒルズといえば高級住宅街。
気品と風格に満ちたその街は憧れの場所とも言えます。
そんな街に上品さなんてクソくらえな型破りな刑事が現れたとしたら……
それが今回レビューする『ビバリーヒルズ・コップ』です。

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ストーリー

デトロイト市警の刑事アクセルは、優秀ながらもその型破りな性格なために上司からは煙たがられている存在であった。
そんなある日、アクセルはビバリーヒルズから帰った友人と再会する。
しかし、ドイツ債権を盗んでいた友人は何者かによって殺されてしまう。
上司から事件への介入を禁じられるアクセルであったが、独断でビバリーヒルズに乗り込む。

感想

エディ・マーフィーの主演作といえば、1番目か2番目くらいに名前が挙がるこの作品。
それも納得のエディ・マーフィーの魅力が盛りだくさんでした。
その魅力がとにかくよく喋ること。
デトロイト市警に所属しているアクセル(エディ・マーフィー)が友人を殺されたことから敵討ちのために、管轄外のビバリーヒルズへ行くため、常に素性を隠さないといけないんですね。
それを隠すために嘘八百をスラスラと並び立てるのが痛快でした。
悪党はもちろん、ビバリーヒルズ市警の人間までも欺く口達者さは笑えました。
この笑えるというのも魅力のひとつで、絶妙に「あり得るのでは?」と思える嘘をしれっと押し通すのがユーモアたっぷりで良かったです。
それらの言動が、アクセルが刑事として有能さの一部でしかないのも良かった点。
もし、口達者なだけだったらただのひょうきん者でしかなく、魅力としては今一つになっていたでしょう。

そして、こうした言動をするエディ・マーフィーがコミカルさに深みを与えていました。
相手に有無を言わせないマシンガントークっぷりと、嘘を本当に見せかける迫真の演技は見もの。
「そりゃ騙されるわ」と、笑って見られる安心感は、彼が演じたからこそあったものだと言えるでしょう。
一方で、シリアスなシーンではしっかりと空気を締めさせてもいて主人公らしさ全開でした。
銃を構えるのも様になってますし、刑事役がハマっていましたね。

そうしたアクセルを囲むメンバーもなかなかに個性的。
特にビバリーヒルズ市警のタガートとローズウッドのコンビはいいキャラをしていました。
この2人、初めこそお堅いマニュアル人間なのですが、アクセルと接することでだんだんと考え方を変えていくんですね。
振り回される2人の姿をコミカルに描きながらもアクセルを刑事として認めていく展開は、王道ながらも熱い展開。
終盤にはアクセルに協力して銃撃戦を繰り広げたりもしており、好感度は増すばかりでした。
刑事モノとしてもコメディとしても面白味を持たせる良きサブキャラクターとなっていました。

そんなアクセルらが挑むのが、悪党メイトランドでした。
ビバリーヒルズでも屈指の画商である彼は悪党としては申し分のない存在。
裏では麻薬の密輸を行っており、ビバリーヒルズの裏に潜む闇があることを感じさせていました。
ただ武力があるだけでなく、権力を悪用するズル賢さも併せ持っているのも面白かったですね。
こうした巨悪がいるからこそ、アクセルの活躍がより一層輝いていたのだと思います。


エディ・マーフィーの魅力をこれでもかと生かしていた本作。
そこには、アクセルというキャラクターはもちろんのこと、魅力的な脇役や悪党がいることによって引き立てられていたのだと思いました。
なんにせよ、ビバリーヒルズを舞台とした面白い刑事モノを見られて満足でした。