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【ネタバレあり・レビュー】ローマ発、しあわせ行き | ハッピーエンドへのロードムービー!

旅をすることは人を大きく変えます。 それは多くの出会いや出来事を経て成長をするからです。 そんな人を変えるロードムービーラブロマンスに落とし込んだ作品が今回レビューする『ローマ発、しあわせ行き』です。

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ストーリー

シングルマザーであるマギーは、思春期の娘サマーを連れてアメリカからイタリアへと訪れる。 しかし、サマーは薬物所持の疑いを掛けられた恋人を救うため、自ら罪を被ろうとしており、帰国を目論んでいた。 叔父の家に到着したマギーはそこで、20年前に別れた元恋人ルカと再会する。 気まずい空気の中、再会を喜ぶ2人であったが、サマーがルカの母親を連れてローマへと出たことから事態は急転する。

感想

再会した2人の元恋人が、ドタバタに巻き込まれる内に過去を掘り返して互いを見直すという、なんとも分かりやすいラブロマンスです。 それだけに特に深い事も考えずに気楽に見れるというのは利点であったと思います。 しかし、逆に刺激がなかったのも事実でした。 車でサマーたちを追う中で、時に衝突し、時に思い出に耽る……それを見せられてもあまり盛り上がりがないというか…… やっていることも、基本的に「昔はあーだった」、「そういうとこが嫌いだった」とかケンカが多く、ラブロマンスの醍醐味であるときめきもあまり感じられませんでした。 また、非常に都合よく話が進んでいくのも気になるところでした。 まるでわざとやっているかのようなトラブル続きの展開は、なんだか無理矢理感があって受け入れづらかったです。 そのトラブルの一端によって逮捕されたサマーを救う手段も、知人のニュースキャスターを通して、警察をいかにも悪人であるかのように報道することで解放させるという理解し難いものでした。 コメディチックな作風であることや、ハッピーエンドで終わるためという大義名分があっても少し共感できない内容が多かったように思えました。

一方で、親子3世代に渡る恋路をテーマにしていたのは面白かったと思います。 過去に駆け落ちしようとした相手との結婚を目指すルカの母カルメン破局しながらも再会を果たし、再び距離を縮め始めるマギーとルカ。 逮捕寸前の彼氏を盲信しているサマー。 過去(カルメン)、現在(マギーとルカ)、未来(サマー)の恋愛模様をテーマとし、相互関係を通してより良いラブロマンスへと発展していく作りは素敵だと思いました。

で、その3世代が絡むのが車での追走劇でした。 ローマへの旅路が進むにつれて、人間関係が深まり、恋愛観が変わっていく様子はまさにロードムービーの魅力そのもの。 面白いかはさておき、各キャラクターが迎えるハッピーエンドには納得することのできる過程であったと思います。


ローマへの追走劇を通してラブロマンスを描いていた本作。 ハッピーエンドになるのは悪くなかったのですが、それに合わせたご都合主義な展開はやや気になるところでした。 とはいえ、親子3世代に渡るラブロマンスを見せていたのはオリジナリティもあって面白かったですね。