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【ネタバレあり・レビュー】ディレイルド 暴走超特急 | ヴァンダムが挑む暴走列車!

限られた空間でのテロリストの戦いというのはアクション映画の王道と言えます。
迫る緊迫感と敵を一人ずつ減らしていく爽快感は、まさに映画向きだと言えるでしょう。
今回レビューする『ディレイルド 暴走超特急』では、暴走する列車内でテロリストにアクション界のスター、ジャン・クロード=ヴァンダムが挑んでいます。

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ストーリー

家族とヨーロッパを旅行中であったNATO工作員のジャックは、スロバキアの研究所から生物兵器を盗み出した女盗賊ガリーナを護衛する任務を言い渡される。
指令通り、列車での移動をする二人であったがそこへ生物兵器を狙うコール率いるテロリスト集団が現れる。

感想

ジャン・クロード=ヴァンダムが主演だからとバリバリなアクションを期待していたこの作品。
うーん、正直言ってイマイチでした。
当時42歳ということもあってか、アクションがガバガバ。
特にこれといった派手なことはしませんし、肉弾戦はやたらカット割が多い見辛いものとなっていました。
他のB級映画なら許せたかもしれませんが、ヴァンダム目当てで見るとさすがにガッカリせざるを得ないアクション要素でした。

では何が良かったか、強いていうなら予想のつかない展開です。
本作、ガリーナが盗んできた生物兵器をヴァンダム演じるジャックが守るという内容でした。
けれど、ガリーナとケンカをしたり(最後まで特に仲直りはしない)、妻にガリーナとの浮気関係を疑われたりと、本筋とはあまり関係ないところで盛り上がっていたのはある意味斬新です。
そして極めつけは生物兵器の散布!
これは予想できませんでした。
天然痘にその他もろもろヤバいウイルスを混ぜ込んだという、危険なウイルスが散布されてしまい、乗客はほとんどが感染。
「ヴァンダムもヤバい!」と思いましたが、何がどうあってなのか、彼にだけはまったく症状が出ていませんでした。さすがは最強の男。

そんなわけで、タイムリミットが(ジャックの家族含めた)感染者の死という緊迫な状況が見どころではありました。
しかし、本作では感染者が死ぬことは一切ありません。
発症まですごく早い+ワクチンのないウィルスで、絶対に死人が出ると思っていましたが、なぜか普通に助かっていました。
こんなご都合要素は他にもあって、死んだと思っていた息子が脈絡もなくいきなり戻ってきたりもします。
エンタメ作ということもあって、王道的な結末に向かっていくのですが、そのせいで無理やり展開をねじ曲げている感があったのは、ある意味面白いところでした。


暴走する列車内を舞台にテロリストとの戦いを描いていた本作。
タイトルといい、展開といい、スティーヴン・セガールの『暴走特急』を思い起こさせるものでした。
しかし、面白さは一目瞭然。それはアクションの質の差にあったと言えるでしょう。
ヴァンダムにはもう少し頑張ってもらいたいなと思わされる作品でした。