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【コラム】2021年に見たい!「21」にまつわる映画10選!

あけましておめでとうございます。
2020年も早々と終わってしまい、2021年がやってきました。
2020年は多くの映画が公開延期となってしまいました。そして、その余波は2021年にもまだ残りそうだと言えます。
そこで、今回は2021年にちなんで、家でも見れる「21」にまつわる映画10選を紹介していきます。

①21ジャンプストリート
(原題:21 Jump Street)

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ジョニー・デップが主演したTVドラマシリーズ(1987-1990)を映画化した作品。
ジョナ・ヒルチャニング・テイタムの二人が、「童顔だから」という理由で新種のドラッグが流通する高校へと潜入捜査をすることに。
高校生活をエンジョイしながらドラッグへと近づいていく二人のおバカなノリは、笑えること間違いなしの仕上がりとなっています。
今作の好評さもあってか、続編も作られた程の人気作です。
ジョニー・デップカメオ出演していることにも注目です。

②21グラム
(原題:21 Grams)

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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』や『レヴェナント』を監督したアレハンドロ・G・イニャリトゥが、ショーン・ペンナオミ・ワッツベニチオ・デル・トロら大物俳優を集結させたドラマ映画です。
心臓移植により生を得た男(ショーン・ペン)、ドナー元の男を殺してしまったトラック運転手(ベニチオ・デル・トロ)、夫を事故で亡くした妻(ナオミ・ワッツ)の三人の運命が奇妙に交差する愛憎劇を、時系列を入れ替える大胆な手法で描いています。
「命が消えるそのときに、人は21グラムだけ軽くなる」という話をテーマにした命を巡る物語には圧倒されること間違いなしです。

21世紀の資本
(原題:Capital in the Twenty-First Century)

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フランスの経済学者トマ・ピケティの700ページにも渡る同名経済学書をわずか103分に収めてしまったドキュメンタリー映画です。
映画化に当たり、専門知識がない人でも理解できるよう、小難しい説明をなるべくかみ砕き、映像を駆使して説明をしていることが最大の魅力と言えるでしょう。
また、著者であるトマ・ピケティ監修、出演のもと作られた作品であるため、かみ砕いた解釈が誤ったものでないことが保証されていることも魅力のひとつです。
分かりやすく、見やすくなった「21世紀の資本」は、資本の世界を学ぶきっかけとなるでしょう。

マイナス21℃
(原題:6 Below: Miracle on the Mountain)

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雪山で遭難した元プロアイスホッケー選手が、命がけのサバイバルを見せる実話を基にした作品。
ロクな装備もない中で、食料や水もなく、低体温症や凍傷に少しずつ体力を奪われていく様子を『ブラックホーク・ダウン』や『ブラック・ダリア』に出演したジョシュ・ハートネットが好演しています。
一切CGを使わずに表現された雪山の脅威にも注目です。

⑤21オーバー 最初の二日酔い
(原題:21 and Over)

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なんとも『ハングオーバー』感のあるタイトルが付けられている作品。
まったく無関係というわけでもなく『ハングオーバー』1作目に脚本として関わっていた、ジョン・ルーカスとスコット・ムーアが本作で監督をしています。
それだけに内容も、おバカなノリのミラーとケイシーが21歳になったジェフを巻き込んで泥酔して大暴れ、全く見覚えのない場所で目覚めるという似通ったものとなっています。
ミラー役は『セッション』でブレイクを果たすマイルズ・テラーが演じている事にも注目です。

⑥KESARI/ケサリ 21人の勇者たち
(原題:Kesari)

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1897年、英国領のインドを舞台に、シク教徒21人vs1万の部族連合との戦い(サラガリの戦い)を描いたインド産戦争映画です。
歌とダンスシーンや個性的な21人のキャラクターでコミカルさを演出する前半と、戦いが始まりシリアスさの増す後半とのメリハリは、154分という長丁場でも楽しませてくれます。
戦争が題材となっているだけに残酷なシーンもありますが、彼らの誇り高い戦いはスッキリとした気持ちにさせてくれるでしょう。

⑦犯人は21番に住む
(原題:L'Assassin Habite au 21)

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のちに『恐怖の報酬』(1953)、『悪魔のような女』(1955)といった名作映画を手掛けるアンリ=ジョルジュ・クルーゾーによる初長編監督作です。
腕利き刑事が犯人探しのため、被害者の住んでいたジュノ通り21番の下宿に潜入するという本格派サスペンス・ミステリー。
事件の発端となる殺人シーンを犯人の主観で描くという斬新な手法には注目です。

⑧囚われ人 パラワン島観光客21人誘拐事件
(原題:Captive)

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フランスの演技派女優イザベル・ユペールを主演に、2001年5月27日~2002年6月7日までにかけて起きたドスパルマス誘拐事件を再現した映画です。
リゾート地であるフィリピン・パラワン島に、イスラム原理主義アブ・サヤフグループが押し入り、観光客を誘拐。拘束日数377日、移動距離約1600kmという過酷な日々をユペール演じるソーシャルワーカーの視点から余すことなく描いています。
この事件は、2001年9月11日の同時多発テロによる影響なのか、日本ではあまり知られていない事件です。
実際、この事件について調べようと思ってもネットでは日本語の情報はほとんどありません。(英語だと「Dos Palmas kidnappings」で調べればいろいろ情報がありました)
それだけに、事件の全容を見聞きできる本作は貴重だと思います。
事件から20年の節目ということもあり、これを機会に見ておきたい作品です。

⑨21番目のベッド
(原題:Unmade Beds)

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イギリスのロンドンを舞台に、二人の男女の関係を描いたイギリス発のエロス映画。
括りこそエロス映画ではありますが、そこまで生々しい表現があるわけではなく、むしろドラマ要素の美しさの方に惹きつけられるかもしれません。
酒に酔い、男女問わずベッドを共にする少年が出会った21番目の女性が彼の居場所となるまでをカラフルなタッチで表現しています。
クロッシングヨーロッパ映画祭2009(オーストリア)では観客賞を受賞。
隠れた傑作と呼べる作品です。

⑩ラスベガスをぶっつぶせ
(原題:21)

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邦題に「21」要素はないものの、原題が『21』という、もっともシンプルかつ今回の記事に適当なタイトル。
この「21」は、ブラックジャックそのものを指しており(トランプの合計数字が21に近い方が勝ち)、そのタイトル通り、ブラックジャックを題材とした作品です。
ブラックジャックの必勝法をマスターしたマサチューセッツ工科大学(MIT)の学生たちが見せる、痛快でスリリングな展開の連続はハマること間違いなし。
ジム・スタージェスの大胆不敵な色気あふれる演技もあり、見ごたえ十分なエンタメ作となっています。
まさかの実話であることにも注目です。

ひっそりと「21」にまつわる映画たち


アバウト・タイム 愛おしい時間について
(原題:About Time)

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ラブロマンス映画のオススメとして挙がることの多い作品。
突然、父親からタイムトラベル能力があることを告げられた青年ティムが、ひとめ惚れした女性をものにするためトラベルをしていきます。
このタイムトラベル能力があることを告げられるのがティムが21歳を迎えた誕生日であることが「21」要素です。
この作品、タイムトラベル能力がキーとなっていますが、SF映画として見るよりもラブロマンス映画として見ることが鉄則だと思います。男女によって評価が変わると言うのもおそらくこの辺が理由ではないかと。
とはいえ、名作であることは間違いないので、安心して見ることの出来る作品です。

崖っぷちの男
(原題:Man on a Ledge)

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サム・ワーシントン主演のサスペンス映画。
実在するニューヨークのルーズベルト・ホテルを舞台に、ワーシントン演じる男が飛び降りをしようと人目を集め、警察をも巻き込んだ大騒ぎになるという内容です。
なぜ、今回紹介したのかというと、このワーシントンが立つ部屋が「21」階であるから。
地上60m、幅35cmの壁面に立つ緊張感と、真相が明らかになるにつれて盛り上がっていくスピード感は、普通に楽しめるハズです。

ボヘミアン・ラプソディ
(原題:Bohemian Rhapsody

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2018年~2019年にかけて、映画界を盛り立てたクイーンにフォーカスした音楽映画です。
ラミ・マレック演じるフレディ・マーキュリーの再現度は然ることながら、クオリティの高いライブシーンなども話題を呼びました。そんな本作で最大の売りであったのが「ラスト21分」でした。
「魂に響く21分のラスト!」、「この映画が伝説となるラスト21分!」など、多少の表記ゆれはあるものの、至る所で宣伝文句としてこの「ラスト21分」が使われていました。
では、この「ラスト21分」が指すのはどこかというと、当然、作中で最も盛り上がるライヴ・エイドのシーンです。
しかし、このライヴ・エイドのシーン実際は13分30秒ほどしか収録されておらず、本来クイーンが演奏した曲を2曲もカットする形となっていました。(カットされたのは「ウィ・ウィル・ロック・ユー」と「愛という名の欲望」)
2019年4月に発売されたDVD&Blu-rayでようやく、「ライヴ・エイド完全版」と称してカットされた2曲のシーンを追加し、本当の意味での「ラスト21分」を満たすこととなりました。(あくまで映像特典としてですが)
しかし、その「ライヴ・エイド完全版」が収録されているのはセル版だけなのだとか。(デジタルセル版含む)
安くはありませんが、一見の価値ありの映像なので、お金のある方はぜひ。

2分の1の魔法
(原題:Onward)

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「2」分の「1」で「21」という苦しい当て字での紹介。(一応、公開日が8月21日という「21」つながりもあります)
しかし、2020年公開作では5本の指に入るのではないかと思うくらい素敵な作品であったので触れておきます。
死んだ父親を失われた魔法で甦らせようとするも失敗して大騒ぎ、というコミカルさがある一方で、感動の家族ドラマがあるというのが実にピクサーらしい。
個人的にグッときたのが、主人公と父親の関係だけでなく、ダメダメな兄との関係を色濃く描いていたことでした。
王道をいきながらも新鮮な感動を与えてくれる作品だけに、大人でも感動できるのではないかと思います。
アニメーションならではのユーモラスな世界観も素敵です。

007 カジノロワイヤル
(原題:Casino Royale)

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『007』シリーズの第「21」作目。
ただそれだけなのですが、2021年はダニエル・クレイグ最後の主演作『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』も公開される予定ですし、ちょうどいいタイミングなので紹介。
今作ではジェームズ・ボンドが007になったばかりの頃を描いています。
スパイとは思えない大胆なアクションシーンから、ジュディ・デンチ演じるMとの喧嘩、ヒロインであるヴェスパー(エヴァ・グリーン)とのロマンスなど、粗削りながらもエンターテイメント性に富んだクールなジェームズ・ボンドを見ることができます。
その面白さの最たるがカジノシーン。
悪党ル・シッフルとの手に汗握る心理戦はまさに「カジノ・ロワイヤル
ダニエル・クレイグ版007の原点にして頂点と呼べる作品です。

日本では見られない気になる「21」にまつわる映画たち


21 Up(原題)

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2021年1月に訃報が公表されたマイケル・アプテッドによるドキュメンタリー・テレビ映画です。
この作品は、1964年にアプテッド監督が手掛けた『seven up!』から続くシリーズ3作目。
イギリスに住む各地の7歳の子供たちをインタビューし、階級格差などの考え方が、育つ環境によりいかに変化するかを調査した1作目から14年後の21歳の姿を追っています。(2作目『7 Plus Seven』では7年後の14歳の姿を追っていました)
このシリーズのすごいところは、リアルタイムに7年ごとに最新作を作り、当時少年だった人物に変わらずインタビューをしていることです。
現在、シリーズは9作目『63UP』まで制作されており、当時7歳だった少年たちは63歳として出演しています。
まさにマイケル・アプテッドのキャリアと共に成長したシリーズと呼べるでしょう。
日本で見ることは叶いませんが、ぜひ追悼として発売してもらいたいものですね。

Table No. 21(原題)

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2013年に制作されたインド映画。
フィジー旅行を当選させた新婚カップルが現地で出会った男から高額賞金が得られる"テーブル21"なるゲームに誘われるというサスペンスです。(やがてデス・ゲームに発展)
設定だけ聞くとB級映画感ありますが、海外での評価はそこそこ高め(5段階評価で平均3以上)
なにかしらのどんでん返しがあるようです。
予告編を見る限り、ボリウッドではあるものの、ダンスシーンは少なめそう。
日本語で見ることは不可能ですが、近年はインド映画ブームですし、もしかしたら日本輸入もあり得るかもしれませんね。(2013年の作品なので少し厳しい?)

バット★21(原題:Bat 21)

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ジーン・ハックマンダニー・グローヴァーが主演した戦争映画。
ベトナム戦争中に撃墜されてしまったアメリカ空軍の"バット21"ことハンブルトン中佐(ハックマン)と、彼を救助に向かうクラーク大尉(グローヴァー)との友情を描いた実話となっています。
何故タイトルに「★」が付いているのかはよく分かりません。(原題が「Bat*21」なのでそれにちなんでなのだとは思いますが、海外の表記も"BAT-21"となっていたのでどこからアスタリスクが出てきたのか謎です)

この作品、日本でも見ようと思えば見ることができるのですが、その方法がかなり面倒なんです。
まず、DVD、Blu-rayは存在するものの、日本未発売。Amazonとかに出ていますがそちらは北米版で英語が必須となります。
では、日本語で見れないのかと言ったらそうでもなくて、字幕版、吹き替え版は存在しています。VHSで。
レコーダがあれば見れるのですが、これまた高価でAmazon値ですが、字幕版が約3500円、吹替版が約15000円です。
世の中には、まだVHSを取り扱っている中古販売店が存在しますし、最近では渋谷のTSUTAYAでVHSの取り扱いをしていることが話題ともなったので、チャンスは0とは言えません。
けれど、かなりの労力を要することもあって、日本では見れない映画として紹介させていただきます。

21 Twenty-one
(原題:21/Twenty-One)

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パッツィ・ケンジット主演のドラマ映画。
ケンジット演じる21歳の女性の仕事や恋愛模様をしっとりと描いています。
基本、それだけなのですが、特殊なのがモノローグをカメラに向かって語るシーンが入っていること。
これにより、ドキュメンタリーにも近い内容となっており、より感情移入できるようになっています。
こちらの作品は、1991年の「サンダンス・フィルム・フェスティバル・イン・トーキョー'91」で上映され、1995年には全国の劇場で公開されたそう。
しかし、日本では現状VHSでの観賞しかできないため、こちらで紹介しました。

2021年に公開される「21」にまつわる映画


21ブリッジ
(原題:21 Bridges)

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2020年8月に亡くなったチャドウィック・ボーズマン主演・制作によるクライム映画。
銃撃戦の末、警察官を殺した強盗犯をボーズマン演じる刑事が追い詰めていくが、ある隠された真実に辿り着くという王道ストーリーだそう。
共演者にはシエナ・ミラーJ・K・シモンズといった、実力者俳優で固められています。
製作には『アベンジャーズ』シリーズで縁のあった、アンソニージョー・ルッソ兄弟が関わっており、いかにボーズマンとの絆が深かったのか窺えます。
アメリカでは2019年の11月に公開済みですが、日本では2021年の4月に公開予定です。

COVID-21: Lethal Virus(原題)

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どこかで聞いたことのある「COVID」をタイトルに冠する作品。B級感丸出しです。
内容は、気候変動により、南極の氷に閉じ込められた古代の狂犬病ウイルスが放出されて世界がヤバい事に。主人公の女性科学者が奔走するという内容らしいです。「COVID」関係ないですね……
イギリスでは既に公開(2021/1/3)されており、内容のつまらなさ+不謹慎さから駄作の烙印を押されています。まあ、タイトルからしてもう地雷だと分かります。
ただ、こうしたネタ映画は日本にたまに輸入されてくるので、いずれか見れる機会は訪れるのかもしれません。(実際、コロナ関連のタイトルを付けた作品をチラホラ見かけますし)
少なくとも不謹慎でなくなってからリリースしてもらいたいものです。

まとめ

「21」にちなんだ作品を計21作紹介しました。
手当たり次第に集めたのですが、割と名作、良作が多く、オススメしがいがあるものばかりでした。(ネタ映画もありますが)
「21」にまつわる映画を見て2021年を楽しいものにしたいですね。