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【ネタバレあり・レビュー】ドント・スリープ 蘇る悪夢 | まさに悪夢のような95分間!

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ストーリー

青年ザックと恋人ショーンは同棲のために、大家夫婦から格安で家を借りる。
しかし、同棲を始めて少しした頃、ザックは子供の頃に見ていた悪夢を再び見始める。
彼はその悪夢に登場する人間が、現実でも見えるようになりつつあった。
ある日、大家夫婦と同居していた父親が何者かに襲われる事件が起こる。

感想

基本的にどんな映画であっても、どこかしら面白さ、あるいはネタになる要素というのがあるものです。
しかし、本作はそれを探すのが難しいくらいの駄作と呼べる作品でした。
そもそもの話、見るのが退屈過ぎて苦痛!
脈絡のないストーリー、やたら長ししてくるカット、特に意味のないシーンの数々、とにかく無駄が多すぎます。
これでもホラー要素がしっかりとしていればまだマシだったのですが、これまた酷いでき。
車のサイドミラーに移る人影、パソコンに突然現れる顔、シャワーを覗く悪魔、こんなチープなものを見せられて何を怖がれというのでしょうか。「ジャンルがそもそもホラーですらないのかも……」と疑いましたが他にジャンル分けできませんし。

登場人物に感情移入ができないというのもマイナスポイント。というか、扱い方が雑過ぎるんです。
ザックとショーンは、情緒不安定で自分勝手。
彼らに家を貸した隣人の大家夫婦は特にストーリー上関係もないのに意味深な言動をして死んでいます。
突如現れたザックの友人はなんか突然死んでしまいますし、ザックの担当医も鍵を握っているのに回想だけして死亡。
ストーリーに有益となる人物がまったくいないんですよね。

それでいてラストは急に情報量が多くなります。
冒頭で見られるザックの悪夢に登場する少女がショーンであったこと。彼女が実はザックを悪夢側へ引きずり込もうとしていた事。ザックはそれを受け入れた事。意味深に登場していた子供たちはそれに魅了された被害者である事などが、ラスト3分くらいで一気に明らかに。
そこまでの90分近くは無駄なシーンばっかりだったのになんでこんなバランス悪いことになったのか……
もう少し上手いこと伏線を張りつつ進めたら面白くもなったように思えただけに残念としか言いようがありません。

本作、無理矢理褒める点を作るのだとしたら主演のドミニク・シャーウッド(ザック役)がイケメンでカッコよかったことです。
彼は本作が長編映画出演4作目にしておそらく初主演。
二重人格染みた役柄(悪夢の中の自分と入れ替わる)という事もあって、演技力を発揮するシーンもありました。
彼はまだ30歳。これから活躍する場があれば、本作もあながち悪いものではなかったと言えるようになるかもしれませんね。


ドント・ブリーズ』を連想させるかのようなタイトルが付いていた本作。
作中、特に「寝たらダメだ」なんていうシーンはなく、便乗している感が否めないように思えました。
なんにしても、95分の本編時間が2時間超の作品に思えるくらい体感時間が長く感じられる退屈な作品でした。