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【ネタバレあり・レビュー】マッド・ウォーリアーズ 頂上決戦 |

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ストーリー

42戦無敗のファイター、ケイス・ウォーカーはセコンドの指示に従わないことから、試合の出来ない状況に陥っていた。
友人であるブロディと再会したケイスは、彼から次の試合に向けての専属コーチを依頼される。

感想

タイを舞台に主人公ケイスが戦う作品……かと思いきやあらすじにあるように、彼は友人ブロディの専属コーチでした。
その設定はある意味記憶に残るのですが、そのせいでツッコミどころが満載な内容になっていたと思います。
まず、主人公が戦わないというのは面白くないからか、なにかにつけて誰かと戦わせていました。
ジムでいちゃもんを付けてきた男であったり、嫉妬したブロディとであったりと様々。
正直、端から見てると「なんで戦い出してるんだ……」と思うシーンばかりでした。まあ、血の気が多いと思えば納得なのか……?

で、そうした戦いを見ていて思うのが「ケイスが出場した方が勝てるのでは?」ということ。
それは制作陣の狙い通りらしく、ブロディはプロモーターが送り込んだ練習相手にケガをさせられ突然出場できなくなってしまいます。
そのケガをする流れもなかなかのシュールさ。ケイスが「なんだあの怪しいやつは?」と言った直後にケガをさせられるという超適当な流れなんですね。
しかも犯人は「ケガをさせろ」というプロモーターからの命令をメールでしっかりと残しているという都合のよさ。なんて便利なキャラクターなのか。

ブロディを使い捨てにしたプロモーターにキレたケイスの行動もなかなかのツッコミどころ。
まさか「試合を成立させなければプロモーターに金は入らない」という考えから場外乱闘を始めるとは思いませんでした。
しかも特に因縁があるわけでもない相手をかなり痛めつけていますし……
突然始まってなんとなく終わってしまった場外乱闘に唖然とさせられましたが、観客は大盛り上がりでケイスらもやり切った感を出していたのでハッピーエンドなのでしょう。


こんな感じでツッコミどころの多かったこの作品。
他にも、色々とツッコミたい所はありましたが、中でも触れておきたいのが2つ。
まず、1つ目は師弟関係。
本作、ケイスの腕前を見たジムの青年2人が弟子入り(トレーニングを乞う)シーンがありました。
で、ケイスが教えるわけなのですが、それがまったく無意味に思えて仕方がありませんでした。
というのも、特に青年たちと仲良くなるわけでも、彼らが強くなった描写があるわけでもないからです。
もうちょっとなにか有意義な師弟関係になっていればよかったのですが、結局「ケイスがすごい」ということを表現するためだけの踏み台であったように思えました。

ツッコんでおきたいところ2つ目がカメオ出演
本作は、カメオ出演に割と恵まれており、『マッハ!!!!!!!!』で驚くべきアクションを見せたトニー・ジャー(今年公開の『モンスターハンター』でもメインキャラを演じています)、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』でリクタス役を演じていたネイサン・ジョーンズ(もともとはプロレスラー)、『チョコレート・ファイター』で主演を務めた女性アクションスターのジージャー・ヤーニン(ちなみに『チョコレート・ファイター』では阿部寛と共演)の三人が登場していました。
で、その扱いはというと……トニー・ジャーはただ叫ぶだけでうるさい存在、ネイサン・ジョーンズはケイスにフルボッコにされるという悲惨なものでした。
唯一、活躍したのはジージャーくらい。アクションシーンでもカッコイイところ見せていましたしね。
おそらく三人の中ではトニー・ジャーが一番大物なハズ。
けれど、彼が一番カメオ出演する必要がなかったように思えました。というか、ハッキリ言って作品の邪魔にさえなっていました。
せっかくいい俳優が出演してくれたのですから、もう少しいい扱いは出来なかったのかとツッコみたくなる要素でした。


ツッコミどころの多い作品であった本作。
けれど格闘技要素はそれなりに楽しむことができ、そのつなぎとしてツッコミどころが多いのはむしろ良かったのかもしれません。
気楽に見れるという意味ではいい作品でした。