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【レビュー】CURED キュアード

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感想

これまで腐るほど作られてきたゾンビ映画

けれど、今作の「ゾンビウイルス感染後」を描いた世界観というのは、ありそうでなかった設定でした。

本編自体も、不要に引き伸ばしがあったり、企画倒れなどもしておらず、予想していたものを見れたという印象がありました。

 

やはり良かったのが世界観含め、設定が練られていたことだと思います。

ゾンビパンデミックが終わった後とはいいますが、元感染者は①ゾンビ時の記憶が残っている、②ゾンビウイルスは体内に若干残っている(ゾンビに仲間と認識される)、③前2つの理由から健常者からは忌み嫌われている、という立ち居位置になっています。

そのため、自身は人殺しである自覚を持ち、それを健常者に責められるというドラマを見せていました。

これがまあ過剰すぎるくらい過剰で、健常者が「この怪物!死んでしまえ!」と暴動を起こしているのが色々と衝撃的でした。どっちが怪物なんだか……

感染者組(主に主人公のセナン)も負い目がある分、それを受け入れているのですからなかなか考えさせられます。

果たして自分は本当に怪物なのか、それとも人間として社会に戻ってよいのか、その葛藤を殺した兄の妻一家と暮らしながら葛藤していくドラマは、初めてみるゾンビドラマでした。

もちろんゾンビ映画お約束のパンデミックもラストシーンで起こるから盛り上がりました。

「ゾンビは全員治療できたわけではない」という設定があったため、予想通りといえば予想通りです。

とはいえ、ゾンビパンデミック物だと、パンデミック開始→立て篭もり→最終局面となる所を、パンデミックで最終局面まで行くのですから右肩上がりに面白くなっていきましたね。

バリバリのゾンビ映画(グロシーンとかあるもの)とは異なりますが、たまにはこんなゾンビ映画もいいなと思える新鮮な作品でした。

 

豆知識

とあるシーン(たぶん冒頭で元感染者が釈放されるシーン)では、イギリス・北アイルランドの首府ベルファストにあるクラムリン通り刑務所で撮影を行ったようです。

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