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【レビュー】ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!

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日本でのノルウェー映画とは珍しいものです。ヘヴィメタル映画も珍しいものです。
そんな珍しい製作国、珍しいジャンルの映画に取り組んだのが本作『ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!』でした。

 

正直、私はパンクとかヘヴィメタルとかに疎いです。
疎いというか、良し悪しが分からないというべきかもしれません。
とはいえ、本作は最高にロックをしていて、最高に楽しめたのは事実です。
その理由として、挙げるなら主人公トゥロたち4人のバンドメンバーの暴れっぷりにあるでしょう。

 

12年間陽の目を見ることのなかったバンドが、ひとつのデモテープを作ったことから隣国ノルウェーまで巻き込んだ一大事件を引き起こすのですから面白いです。

"終末シンフォニック・トナカイ粉砕・反キリスト・戦争推進メタル"という謎ジャンルから始まり、初ライブでゲロを吐き、色々といわく付きの"デス・バン"を買い、オービスで宣伝用の写真を撮るなど、想像だにしない行動を次々にやってのける彼らの暴れっぷりには笑わせてもらいました。

 

一方で、バンドメンバーは基本的に村の変人扱いされていたり、メンバーであるユンキが命を落としたりと、一筋縄でいかない所がただのおバカ映画ではない良さでした。

努力と挫折の上で、なお夢を追い続ける、そんなまっすぐな姿は彼らに対する応援したい気持ちを沸き上がらせてくれました。

それもあってか、終盤でのライブシーンはヘヴィメタルの良し悪しを知っているとか関係なく盛り上がれました。

理屈とか抜きで盛り上がることができる。これぞまさにロックなのだと、むしろ感動できるくらいでした。

 

冒頭でも書いたように珍しい国、珍しいジャンルで作られた本作。

けれど、その面白さは遠い国である日本でも十分に伝わる素晴らしいものでした。