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【レビュー】マローダーズ/襲撃者

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ティーヴン・C・ミラー監督とブルース・ウィリスは、2020年現在まで、通算3回もタッグを組んでいます。

けれど、その3作ともがファンにとって不満の残るものとなっているのが現実です。

そんなミラー監督による「ブルース・ウィリス無駄遣い三部作」の内、二作目に当たるのが、今回レビューする『マローダーズ/襲撃者』となります。

 

銀行強盗とそれを追うFBI、何か隠してる悪徳銀行家の三つ巴の争いとなっています。

それぞれの思惑が交差するクライムサスペンスが面白い……ハズなのですが、なぜか話がとっ散らかっててイマイチ盛り上がらなかったというのが素直な感想です。

おそらくその原因となっていたのが、キャラクターの弱さです。

かなりの頻度で視点を切り替えるため、誰に感情移入していいのかもよくわからないんですよね。

登場人物をたくさん出して、設定をとりあえず乗っけて、そのまま消化し切れない、という印象でした。

 

とはいえ、本作でやりたかったのはおそらく「登場人物の内、誰が強盗犯なのか」という謎でした。

強盗集団が残した痕跡を追い、少しずつ追い詰めていく王道的なクライムサスペンスを軸に、誰が犯人なのかを絞り混んでいく流れは見応えあり。

(そこまで派手ではないものの)銃撃戦もありましたし、最低限クライムサスペンスの面白さはあったと思います。

キャラの魅力を犠牲にした分、犯人探しに重きをおいていたように見受けられました。

 

で、本作の押しでもあったのがラストシーン。

冒頭の画像を見てもらうと分かるように、ラスト5分の展開を売りとしていました。(日本だけかもしれませんが……)

ただ、その割にはあまり盛り上がらなかったかなというのが個人的な感想です。

展開からして、FBIのジョナサンが強盗事件の諸悪の根源となったヒューバートを射殺するのは察せられますし、ウェルズがそれを助けるのもなんとなく分かります。

むしろ、一番衝撃的だったのはヒューバート(ブルース・ウィリス)が銃弾一発で死んでしまうということです。もっと粘れよと言いたくなるあっさりさ。

これを「ラスト5分がすごい!」と謳い文句にするのは酷いと思いましたね。