【レビュー】その女諜報員 アレックス
『その女アレックス』という小説をご存知でしょうか?
著者ピエール・ルメートルの話題作で、2014年に日本でも話題になった作品です。(翻訳されたのは2014年ですが、書かれたのは2011年でした)
そんな小説とは微塵も関係ない作品が、今回レビューする『その女諜報員 アレックス』でした。
ストーリーはよくあるサスペンス・アクションもの。
アレックスがケープタウンで強盗を行った際に、政府の後ろ暗い機密情報までも持ち出してしまったことから追われることとなるストーリーです。
これだけ見ると普通に楽しそうではありますが、ふたを開けて見るとなんとも盛り上がりのない作品でした。
ストーリーは、ただ悪党が追ってきて逃げ回るだけ。展開もどこかで見たことのあるようなありきたりなものばかりでした。
アクションは、カット割り多めでスタイリッシュに見せかけた微妙さ。格闘も銃撃戦もカーチェイスもありますがイマイチ盛り上がれません。
キャラクターも敵初め、主人公のアレックスさえも
プロと呼ぶにはおざなりすぎる対応ばかり。魅力的と呼ぶには程遠い状態でした。
特別「ここが悪い!」という箇所はありません。
しかし逆に「ここが良かった!」と誉める所もあまりないという扱いに困る中途半端さです。
勝手に始まって、勝手に盛り上がって、勝手に終わってしまった、というのが私の印象でした。
そんな中でも記憶に残ったのがモーガン・フリーマンの存在でした。
どうやら本作には続編を作る気があったらしく、すべての黒幕としてモーガン演じる上院議員(名前不明)がいるわけですね。
そのため、本作での出番は3分あるかないかくらい。
それでも記憶にガッツリ残すのですから起用の意味はあったと言えるでしょう。
続編がvsモーガンになるなら間違いなく見ますね。
小説『その女アレックス』と比べると、雲泥の差と言うしかないクオリティだった本作。(小説はすごく面白いです)
とはいえ、安易に駄作と呼ぶのは可哀想な作品でもありました。
もしも汚名返上する自信があるのなら、続編を作ってみてほしいものです。
その時はモーガン・フリーマンがいることは絶対条件となるでしょう。