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【レビュー】アンフレンデッド: ダークウェブ(ネタバレあり)

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近年、ダークウェブというものが流行しています。
普段、私たちが使っている検索エンジンではヒットしないアングラなサイト全体を指して

そう呼ぶらしいですね。犯罪なんかの取引にも使われていて危険だとか。
今回レビューする『アンフレンデッド: ダークウェブ』はそんなダークウェブを舞台にしたような、していないような微妙な作品です。

 

話は至ってシンプル。ネットカフェから盗んできたノートPCがダークウェブに繋がってい

て、殺人の動画を見た一般人五人が危険な連中に狙われる、というもの。
ダークウェブを題材にした本格派サスペンス。これはワクワクする……と思っていたの

ですが、だんだんと本格派が崩れ始めます。

 

チャットログの削除、ハッキングによる場所の特定、物理的な干渉etc...ダークウェブ住人の行動がエスカレートしていくほど内容がチープになっていきました。
やがては、ガバガバな方法で主人公の周りの人間が殺され始めます。

PCから鳴った銃声を本物と断定して発砲してくる警察のアホっぷりには笑いが出る程でした。


最終的に、一連の殺人はダークウェブ住人の娯楽であったことが判明するわけですが、これまた残念。
ダークウェブ住人=人殺し集団みたいな認識は流石に偏見が過ぎると思います。あれでは犯罪者の温床にしか見えませんからね。

そんな否定的な意見ばかり募る本作ですが、良い点もありました。それが全編PC画面という演出です。

本作は、知っている人もいるかもしれませんが実は二作目なのです。
とはいっても、ストーリーが連続しているわけではないし、登場人物にも関係はありません。(前作の登場人物は全滅しているため)
唯一、共通していたのが、全編PC画面の演出だったわけです。

スカイプビデオチャットを通して、主要な登場人物五人をリアルタイムで映した手法は

相変わらず斬新で面白いと思います。
加えて、バックグラウンドで色々なツールを使ったり、個別にチャットしたりとPC画面な

らではの動きが見られるのも楽しめました。
最近では『Search/サーチ』という映画で同じ手法が利用されていましたが、リアルタイムで事が起こっているだけにこちらの方が楽しめるのではないかと思います。(あくまで演出だけの話ですが)

ストーリーはアレでしたが、演出は十分に楽しめたので、それだけでも見る価値は十分にあるといえるでしょう。

 

本来、映画というのは映画館で見てなんぼのものですが、本作に限ってはPCで見る方が臨場感が上がって楽しいです。
色々と不平不満は書きましたが、ダークウェブを題材にしていることや全編PC画面というのは今のところは貴重と言えます。

また面白い演出の続編を作ってもらいたいものです。