【ネタバレあり・レビュー】魔女がいっぱい | アン・ハサウェイが超怖い!ハリウッドの力を総結集させたダークファンタジー!
魔女といえば作品により、良いイメージ、悪いイメージそれぞれあります。
しかし、良いイメージがつき始めたのは最近の話で、もともと魔女は恐ろしい存在であることが伝承されてきています。
そんな魔女の原点のような姿をユーモア満載な世界観で送るのが、今回レビューする『魔女がいっぱい』です。
ストーリー
1960年代、両親を事故でなくした少年は、祖母に引き取られ田舎の町で暮らし始める。ある日、少年は町で奇妙な姿をした女性と遭遇する。
その話を聞いた祖母は過去に出会った魔女の存在を思いだし、少年を守るためホテルへと連れていく。
しかし、そこへは各地の魔女が集会のために集まるホテルであった。
豪華スタッフ&キャストで送るブラックファンタジー!
『魔女がいっぱい』タイトルだけ聞けば「なんだこのやる気のないタイトル!」とスルーしてしまうでしょう。
しかし、スタッフ&キャストを聞くと見るしかないと思いました。
監督にロバート・ゼメキス、脚本にギレルモ・デル・トロ(とロバート・ゼメキス、ケニヤ・バリス)、製作にはアルフォンソ・キュアロンた。
主演にアン・ハサウェイ、オクタヴィア・スペンサー、出演にはスタンリー・トゥッチ。
そして原作はロアルド・ダール(「チャーリーとチョコレート工場」や「BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」の原作者)。
これだけのスタッフ&キャストが揃っているのなら、いち映画ファンとして見ない手はないため劇場に足を運びました。
感想としては、王道的な展開に悪趣味要素を混ぜたのが面白かったと思います。
本作、タイトルのライトさとは裏腹に、魔女はとても恐ろしい存在でした。
「世界中の子供を動物に変えて殺してしまおう」というのですから当然です。
なにより恐ろしいのがその見た目。
現代のCG技術をフル活用したおぞましい見た目は、大人の自分からしても不気味で気持ち悪かったです。
そんな魔女がわんさか集まって集会を開いたりしているのですからホラー映画のような状況だったとさえ言えるでしょう。
その魔女たちに対抗するのが、一人の少年でした。(名前は作中出てきませんでした)
で、一番驚いたのがこの少年をあっさりとネズミへ変身させたことです。
どうするんだと思っていたら、まさかのネズミの姿のまま魔女と戦うという展開でした。
ロアルド・ダールの作品は基本的に独特な世界観を持っていますが、本作はその中でもかなりユニークであったと思います。
ネズミだからこそできるユーモアの数々!
主人公がネズミに変えられという驚きの展開を見せていた本作。なんだかんだで最後には元に戻るのだろうと思っていたら、まさかの戻らないままでした。
しかも主人公はそれを「ネズミでいるのも悪くない」と受け入れてしまうのですから驚きです。
まあたしかに両親を亡くし、友達もおらず、学校へも行っていないという状況を考えるとそこまで悲観することでもないのかもしれません。
いや、しかし余命約9年を宣告されて受け入れるメンタルは鋼のようです。
そんな鋼のメンタルを持ち合わせる主人公と、同じくネズミに変えられた2人の仲間が挑む魔女たちとの戦いが作品の見どころでした。
まるで『スチュアート・リトル』のような喋って二足歩行をするネズミたちが、ホテルを舞台に、通気口や床などを縦横無尽に走り回る姿は単純明快な面白さ。
圧倒的な力を持つ魔女たちを相手に知略を巡らせ戦いを見せるのにはワクワクしました。
一方で、ネズミ仲間の2人と主人公が見せるコミカルなやり取りも印象的。
最後に主人公が「仲間がいるからネズミのままでもいい」という結論に至るのに納得できる関係をシリアスな展開の中で築き上げていたと思います。
シリアスさとコミカルさを掛け合わせたユーモラスな展開は、ロバート・ゼメキス感溢れる安定した面白さがありましたね。
監督ロバート・ゼメキスを初め、多くのスタッフとキャストが集っていた本作。
そんな彼らが作り上げていたのは、子供ならトラウマ間違いなしのダークファンタジーだあったと思います。。
大人が子供心を思い出しながら楽しめる作品でした。