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【ネタバレあり・レビュー】マネートレイン

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ストーリー

鉄道保安官であり、義兄弟であるジョンとチャーリーは、おとり捜査により窃盗犯を捕まえる日々を送っていた。
ある日、逃走した窃盗犯が、上司のパターソンの管理するマネートレインの警備により射殺されてしまう。
あまりの傍若無人さに憤りを感じる二人であったが、パターソンはそれを一蹴した。
納得のいかない二人であったが、鉄道局員に火を点けようとした異常者が現れたことから、二人はその犯人を追うことになる。

感想

ウェズリー・スナイプスウディ・ハレルソンのW主演。
どちらも映画界の第一線を走る俳優ということもあって、これだけでもワクワクさせられました。
唯一、心配であったのは二人が噛み合うのかどうか。バディムービーでもっとも大切な要素とも言えますね。
で、これが完璧なくらいハマっていました。
本作でウェズリー演じるジョンとウディ演じるチャーリーは、血こそ繋がっていないものの共に育ってきた義兄弟という設定でした。
その義兄弟というのを信じてしまうくらい、時に仲良く、時にケンカする関係を見せていました。
その息のピッタリさは名コンビと呼ぶにふさわしいものであったと思います。
で、調べてみるとこの二人、本作の3年前に制作されたスポーツ映画『ハード・プレイ』でもタッグを組んでいたんですね。(見たことはありません)
こちらの作品にも興味を抱くくらいの名コンビっぷりを本作で見ることが出来ました。

そんな二人が演じるジョンとチャーリーは鉄道保安官の役でした。
地下鉄の駅で囮捜査をして酔っ払いから金品を盗む小悪党を捕まえる地味ーな仕事……かと思いきや、バリバリ派手な展開が多かったです。
小悪党を捕まえようとすれば踏切に降りて全力疾走、マネートレインの警護に着けば大喧嘩、放火魔を追えば電車の行きかう線路をジャンプと、とにかく大暴れ。
ウェズリーとウディを持て余すことのないハラハラドキドキする展開の数々は見応えがありました。

そのハラハラドキドキをさらに煽るのが悪党の多さ。
放火魔、マフィア、二人の上司パターソンと三人もいます。
放火魔は人にガソリンをぶちまけて火を付けたり、人を地下鉄のホームから突き落したりととにかくサイコ。
しかもそれを恨みや利益のためではなく、ただ楽しむためにやっているのですからヤバいヤツです。
マフィアは、チャーリーが彼らに借金をしていた事を考えると、二人を狙うのはそこまでおかしくないことだと思います。
とはいえ、殺しをチラつかせるやり方は極悪非道。ぶち切れたジョンが単身、乗り込んでいきボスまで全員叩きのめすのは爽快な展開でした。(「あんなことして大丈夫なのか?」と思いましたが)
そして、一番の敵となるのが上司のパターソンです。
この人、初登場時から悪役臭が凄かった。
ジョンたちが窃盗犯を追って線路上にいるのを知っていながらも「電車を止めるな」と言ったり、それがきっかけで起きたゴタゴタを二人のせいにしたり、とにかく目の敵にしていました。
彼が大切にしているのが、タイトルにもあるマネートレイン。駅での売上金を運ぶ輸送列車です。
そんな悪役が大切にしているマネートレインがラストを飾る舞台となるのは当然っちゃ当然。しかしまさか最終的に脱線にまで行きつくとは思いませんでした。つくづく、エンタメ性の高い内容です。
とくにパターソンとは肉弾戦になるわけでも、銃撃戦になるわけでもありませんでしたが、きっちりと作品のラストを締めくくる悪党として不足なしだったのは良かったと思います。
ひとえに、嫌味なキャラクターの作りとロバート・ブレイクのハマり役っぷりがあったからこそ成立した悪党だったと言えるでしょう。

その他にも見どころは多く、ジェニファー・ロペス演じる美しい捜査官グレースをジョンとチャーリーが取り合ったり、街の強盗犯に銃を突き付けられた二人が喧嘩を装って危機を脱したりと、103分という本編時間に面白さがしっかりと詰まっていたと思います。


ウェズリー・スナイプスウディ・ハレルソンのコンビが活躍していた本作。
アクションあり、ドラマあり、ロマンスありで、シンプルに楽しめる映画であったと思います。
ぜひともまた二人の共演作を見たいですね。